USCPA試験で、74点不合格になったことがあるでしょうか?
私はAUDとBECの両方で74点落ちしました。
AUDに続きBECでも74点不合格だったときは、信じられませんでした。
1点たりない74点で2度も不合格。
しかし74点で不合格のケースはけっこうあるみたいです。
私はAUDもBECも2度目でなんとか合格できました。
私自身が行った「74点のカベ対策」を紹介します。
そして一人でも多く人にUSCPAに合格していただきたいです。
※「日本人のUSCPA受験者の4科目合格率」について知りたい方は以下の記事を一読ください。
NASBAのUSCPA試験データを分析してみました。
子育て世帯のハードボイルド家計術
※USCPA4科目合格者に必要な英語力(TOEICレベル)が知りたい方は以下の記事を一読下さい。
予備校のデータからUSCPA4科目合格者と英語力の関連性を分析してみました。
子育て世帯のハードボイルド家計術
AUD・BECで日本人は74点不合格が多い。
AUDに引き続きBECで74点落ちしたとき、私は完全に思考が止まりました。
1点足りない不合格が2回も。。。
こんなに運の悪い人間が、いるだろうか?
ショックで2日くらい食べ物の味がしなかったです。
そのあと合格者の不合格履歴を調べました。
74点落ちすることはよくあります。
AICPAが「合格させないという明確な意思表示」として74点にしているようです。
「75点合格」と「74点不合格」は明確に違いがあります。
テストの中で「合格に至らないと判断させる理由」が明らかにあったということです。
運悪く1点足りなくて74点不合格だっというわけではないんです。
「74点不合格の理由」のつぶし込みをして合格を目指しましょう。
以下は「2016年日本人科目別合格率」です。
(NASBAのデータをまとめたものです。)
日本人は、AUDとBECの合格率が低いです。
<2016年日本人USCPA科目別合格率>
日本人受験者数 | 合格率 | 平均点数 | |
AUD | 1,002 | 29.0% | 66.9 |
BEC | 1,033 | 37.2% | 70.5 |
REG | 716 | 41.2% | 68.5 |
FAR | 1,206 | 42.8% | 68.4 |
Candidate Performance on the Uniform CPA Examination
引用元: Candidate Performance on the Uniform CPA Examination
Page136 Country Japan 2016 CPA Examination:All Test Result
さらにAUDとBECで何度も不合格となる日本人は、けっこういます。
以下、AUDとBECに絞って、説明します。
※日本人の場合、計算中心のFAR、REGは比較的順調に合格していくようです。
私もFAR、REGは一発合格でした。
※AICPA:米国公認会計士協会
※NASBA:全米州政府会計委員会。
NASBAがUSCPAの試験データを毎年まとめています。
公開されているデータで最新は2016年版。
直近のものはUSD200ドルくらいで販売されています。
※「日本人のUSCPA合格率」について以下の記事でまとめています。
詳しく知りたい方は、ぜひ一読ください。
子育て世帯のハードボイルド家計術
AUD:74点のカベ対策
①私のAUDの試験レビュー
私の74点不合格時の試験フィードバックです。
これを見ると、「Content Area」で2か所がWeaker(弱い)になっています。
実際、この部分は、私が試験前に「理解が不安」だった部分です。
②AUD試験対策1:弱点論点の理解深化
MC(選択問題)とSIM(シュミレーション)のアウトプットはBECKERをやりました。
しかしMC問題は2回くらいやると答えを覚えてしまい、その論点を理解していなくても正答できてしまいます。
この状態は非常に危険です。
本当は理解していないのに、MC問題を正答できたから理解していると勘違いしています。
試験でちょっと表現が違ったりするとまったく正答できないです。
AUDの場合、アウトプットだけやっても理解が深まらない場合があります。
そのためWeaker部分をインプット教材にもどって理解しなおしました。
Weaker論点のDVD講座を再度、見ました。
インプットテキストを繰り返し読んで理解をしました。
もちろん同時にMC問題のアウトプット学習もおこないました。
AUDはボリュームが少ないので、比較的復習はしやすいです。
AUDは各論点を深く理解することで、MC問題が回答できれば合格に近づくと思います。
SIMでは、あまり差がつかないように思います。
※私はTACのDVD講座で学習しました。
そのため試験対策としてBECKERの教材も使っています。
③AUD試験対策2:英語読解力の強化
しかし、しかし、AUDで何度も不合格になる人がいます。
もうひとつの不合格の大きな理由は、「英文読解力」が足りない場合です。
AUDのマルチは、選択肢2問までに容易に絞れますが、そこから迷います。
AUDの問題と選択肢をきちんと読みとる英文読解力がないと正答できません。
この場合は、少しやっかいです。
英語読解力を別個に鍛える必要があります。
速く正確に大量の英文が読めるようにするには、英文のビジネス記事を読むことで鍛えられます。
スマホでニュースを毎日読んでいる人は多いと思います。
同じルーティンで毎日、英文記事を読めば英語読解力は伸びていきます。
(私はここ3年位毎日、英文ビジネス記事を3記事読んでいます。)
多くの人がFARを始めに受験しています。
計算問題中心なので、日本人は、英語があまりできなくても、合格できるケースが多いです。
FAR合格でこのまま行けると思ってしまうと痛い目に合います。
AUDとBECでは高い英語力が問われます。
試験時点でTOEIC850点くらいのレベルがないと厳しいのではと思います。
※ちなみに私のUSCPA学習開始時のTOEICスコアは890点でした。
(現在はTOEIC945点です。)
④AUD試験対策まとめ
1:試験レビューのウイーク(弱い)だった部分を中心に、復習する。
2:理解が不十分な場合はインプット教材まで遡って理解を深める。
AUDの場合、アウトプット学習だけだと理解が深まらないリスクがある。
3:AUDには英語読解力が要求される。
英語力の問題で正答率が上がらない場合、英文読解力から地道に鍛える必要あります。
毎日、英文のビジネス記事を3つくらい読むようにしてください。
スキマ時間のスマホ読みでOKです。
4:MC(選択問題)で得点できるようにする。
SIMではあまり差がつかないように思います。
またSIMはFAR知識で解けることもけっこうあります。
(AUDの前にFARを学習してください。)
※USCPA4科目合格者に必要な英語力(TOEICレベル)が知りたい方は以下の記事を一読下さい。
予備校のデータからUSCPA4科目合格者と英語力の関連性を分析してみました。
子育て世帯のハードボイルド家計術
BEC:74点のカベ対策
①私のBECの試験レビュー
私の74点不合格時の試験フィードバックです。
これを見るかぎり、合格してもいいんじゃないかと思えますよね。。。。
<Content Area>
Stronger(よい)1セクション
Comparable(普通)2セクション
Weaker(弱い)2セクション
<Item Type>
MC(選択問題):Comparable(普通)
SIM(シュミレーション問題):Comparable(普通)
WC(ライティング問題):Weaker(弱い)
②日本人のBECの状況
次に「2016年日本人BEC論点別得点率」の資料見てください。
(NASBAのデータをまとめたものです。)
<2016年日本人BEC各論点別得点率>
BEC 出題論点 | 得点率 | |
① | Corporate Governance | 46.9% |
② | Economic Concept and Analysis | 65.9% |
③ | Financial Management | 69.4% |
④ | Information Systems | 50.5% |
⑤ | Strategic Planning | 69.8% |
⑥ | Operations Management | 67.2% |
⑦ | Writting | 12.7% |
Candidate Performance on the Uniform CPA Examination
引用元: Candidate Performance on the Uniform CPA Examination
Page136 Country Japan 2016 CPA Examination:All Test Result
ライティング(WC)の得点率12.7%!!
ほかのセクションはすべて45%以上ですのでライティングの得点率が極端に低いですね。
日本人の2016年BEC平均点は70.5点です。
実はBEC平均点は4科目最高なんです!!
しかし日本人のBEC合格率は4科目中、2番目に低いです。
ほかの点数が高くても「ライティングが極端にデキなければ、合格させない」ということだと思います。
AICPAの立場からすると、MCとSIMだけで合格するならライティングを試験項目に入れる意味ないですね。
MCとSIMで高得点を取れれば、ライティングができなくても合格できると思っている日本人が多いように思いますが。。。。
上記、私の試験レビューからは、私はMCとSIMはそこそこのできていました。
つまりライティングがダメすぎて1回目は74点不合格だったように思います。
③BECのライティング(WC)対策
NASBAのデータからも日本人はライティング以外は点数が取れています。
ライティングの対策がしっかりできれば、合格に近づくはずです。
しかし、ライティングの対策の仕方がわからない人が多いのではないでしょうか?
以下、私が行ったライティング対策を紹介します。
ライティングは「英語の文章力」を見るテストです。
ライティングはBECの試験範囲の知識を問うセクションではないです。
よっぽど間違っていない限り書いた内容はそれほど重要ではないです。
知っている知識をつなぎ合わせて書くことで十分です。
それよりも「望ましい文章構造」「正しい英語&文法」で書かれているかをチェックされています。
④BEC:WC対策1 文章構造を作って書く
文章構造が問われるのですが、考え出すと難しい問題です。
そのため私は以下の「定型の書き方」を使って書くことにしていました。
この「定型の書き方」で書くことにより、自動的に「文章構造」ができます。
<定型の書き方>
1:初めの一文:This memo describes ~
「この文章では~について述べます。」
2:内容:Firstly~, Secondly~, Thirdly~
「第1に~、第2に~、第3に~」
聞かれていることに対して、少なくとも3つくらい内容を書きます。
できれば、もっと書いてください。
あいまいな知識でも構わないので最低3つぐらいの内容を強引に書きます。
3:結論:As a conclusion, ~
「結論として、~」
内容のまとめ・結論を書きます。
4:締め:Please let me know if you need more discussion on this topic
「この件でもっと議論したければ、連絡ください。」
⑤BEC:WC対策2 書きたい内容を英語で表現できるようにする
文章構造以外に、「英語での表現力」の問題があります。
問題:「物価上昇時のFIFOとLIFOが企業利益に与える影響を論じなさい。」
「FIFOを採用している企業は、売上に対して、古い仕入原価から適応されるため、物価上昇時には利益が多く出ることとなる。」
こんな感じの日本語の内容は思い浮かぶと思います。
この文章をさらっと英文にできますか?
かっこ悪くても「理解できて文法的に誤りの無い英文」で書きたいことを表現できることが必要です。
ライティングのトレーニングも、私はBECKERのライティング問題を使いました。
以下の「ステップ1~4」でBECKERの約20題を2回やりました。
ステップ1:
ライティング問題と模範解答を打ち出します。
ステップ2:
問題と模範解答を3回くらい読み、模範解答の内容をできるだけ覚えます。
ステップ3:
BECKERの模範解答を見ないで、上記の「定型の書き方」で英語論文を書きます。
1題20分以内を意識して書きます。
BECKERの模範解答の内容を思い出しながらを解答を自分の英語でタイピングします。
模範解答を読んでいるだけでは、ライティングは身に付いていません。
文章やスペリングや語彙も実際書いてみると、全然書けないことに気が付きます。
タイピングも英語だとかなり遅くなることがわかると思います。
ステップ4:
自分の解答と比較しながら、模範解答をタイピングします。
自分が書こうとしてうまく書けなかった表現、単語があると思います。
これらを模範解答を最後にタイピングすることで確認して身につけていきます。
上記の方法で約20題を2回転くらいすると、だいぶ英語で言いたいことが書けるようになりました。
⑥BEC:WC対策まとめ
1:文章構造が自動的にできる「定型の書き方」をつくる。
2:ライティングの演習問題と模範解答を打ち出す。
3:模範解答を読み、模範解答の内容をあらかじめ覚える。
4:模範解答の内容を思い出しながら、「定型の書き方」で英語論文を書く。
(模範解答を見ないで英語論文をパソコンでタイピングする。)
5:「自分の文章」と「模範解答の文章」を見比べながら、模範解答をタイピングする。
6:同じ演習問題を2回以上繰り返す。
まとめ
①USACPAは74点で落ちることは結構ある。
私もBECとAUD2科目も74点落ちしています。
74点で落ちるということは、「AICPAが不合格とする」という明確な意思表示です。
運が悪かったわけではないんですね。
②不合格となった理由がある。
不合格となった問題点を、試験レビューから読み取って、具体的に次回の受験対策をしましょう。
③日本人はAUDとBECで不合格となることが多い。
④AUD「74点のかべ対策」
AUDは学習ボリュームはそれほど多くはないですが、深い理解が必要です。
不合格後は試験レビューで自分の弱い論点を確認しましょう。
選択問題のアウトプット学習を繰り返すだけでは、理解が深まらないこともあります。
理解しにくい論点はインプット教材(講義・テキスト)に戻って理解を深めるようにしましょう。
AUD合格には、問題文と選択肢を細かく読み解く英語の読解力が必要です。
英文読解力がないことで、不合格となるリスクがある科目です。
個人的にはTOEIC850点程度の英語力は必要だと思います。
英語読解力に自信の無い人は、英文のビジネス記事などを毎日読むなどして訓練してください。
⑤BEC「74点のかべ対策」
日本人がBECで不合格となる最大の要因はライティング(WC)です。
ライティングは「望ましい文章構造」「正しい英語&文法」で英語論文がかかれているかをチェックするセクションです。
BECの出題範囲の知識を問うセクションではないです。
書いている内容が正しいかどうかについてそれほど神経質になる必要はないです。
1:文章構造の対策:
「文章構造をもったライティングにする」ため、「定型の書き方」を使って書く方法があります。
2:英文表現の対策:
「書きたい内容」を「理解できる正しい文法の英語で書ける表現力」が必要です。
・ライティングの問題・解答をまず先読み。
・書くべき内容を頭に入れてから「定型の書き方」を使って英語論文を書きます。
・自分の英文と模範解答を見比べながら、模範解答をタイピング。
このステップで私は英語表現力を鍛えました。
⑥74点不合格だったときは、私も本当にショックで、くやしかった。
また4時間の試験。。。
また受験料7万円。。。
しかし、上記の対策を行うことでAUD・BECともに2回目で合格できました。
早期に具体的な対策を立てて、ぜひ次の試験には合格を決めていただきたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございます!!
上記の記事が、少しでも、お役に立てたらと思います。
ひとりでも多くのUSCPA合格者が増えることを願って!!
※「日本人のUSCPA受験者の4科目合格率」について知りたい方は以下の記事を一読ください。
NASBAのUSCPA試験データを分析してみました。
子育て世帯のハードボイルド家計術
※USCPA4科目合格者に必要な英語力(TOEICレベル)が知りたい方は以下の記事を一読下さい。
予備校のデータからUSCPA4科目合格者と英語力の関連性を分析してみました。
子育て世帯のハードボイルド家計術
付記:私のUSCPA受験履歴
以下が、私のUSCPAの受験履歴になります。
2019年3月 REG 77点合格
2019年4月 AUD 74点不合格
2019年5月 FAR 80点合格
2019年7月 BEC 74点不合格
2019年8月 AUD 81点合格
2019年10月 BEC 81点合格
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