英語では「have」を極めよう!

キャリア形成

英語には「have」のいろいろな用法がありますよね。

「haveって何もの」って感じながら学校で英語学習してきたと思います。

この記事では「have」の共通イメージを確認しつつ、「haveの疑問」を解決していきます。

「have感覚」を体得することで、英語力がぐっとアップしますよ。

「have」に関して以下のような疑問を感じたことありますよね。

<haveに関する疑問>
①haveに「~に~させる」という使役動詞用法があるのはなぜか?

②現在完了の「have」のあとの動詞は、なぜ受動形をとるのか?

③現在完了は「完了」と「継続」という正反対の用法があるのはなぜか?

④「過去形」と「現在完了」はどう違うのか?

⑤「have to 」はなぜ「〜しなければならない」という意味になるのか?

⑥「had better」はなぜhaveではなくhadなのか?

以下で、これらの「have疑問」を解決していきます。

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「have」の意味とイメージ

「have」の意味は「持っている、所有している」です。

「自分の管理下にある領域に置いておく」みたいな「ゆるい所有」のイメージです。

ほぼすべてのhave用法の根底にはこの意味が共通イメージとしてあります。

「リアルな物理的なモノ」だけでなく「抽象的なモノ・概念」「状況・状態」「経験」を「持つ」という使い方が派生してきます。

※haveの語源
もともとkap」つかまえるという動詞が語源です。
captureと同じ語源です。
もともとは「kap」にはガッチリつかまえるという意味があったようです。

「have」の5つの使われ方

「have」には主に「5つの使われ方」があります。

以下、それぞれの用法について説明していきます。

<haveの5つの使われ方>
①一般動詞have
②使役動詞have
③完了形have(現在&過去完了形)
④「have to」のhave
⑤その他「had better」など

重要なので前出ししておきますが、「②使役動詞」から「③完了形」の用法が発生しています。

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一般動詞have

1)リアルなモノを「もっている」という用法
「具体的なモノ」を「持っている、所有している」という最もベーシックな用法です。

①I have a pen.
私はペンを持っています

②I have a dinner with my parents.
私は両親と夕食を食べます。

「食事を持っている→食事を取っている」という使い方もできます。

2)抽象的なモノ・概念を「持っている」という用法
「抽象的なモノ」を「持っている、所有している」という意味でも使用できます。

①I have a headache.
私は頭痛を持っています。
→私は頭痛がします。

②I have some questions
私はいくつか質問があります。



3)無生物主語などでの「~に~がある」

①This room has 3 windows
この部屋には3つ窓がある

②Tokyo has more than 10 milion people. 
東京には1000万人以上の人々がいる


ここまでは問題なく理解できますよね。

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使役動詞用法have その1:使役動詞用法の派生

have」は「状況&状態を持っている」という意味でも使われます。

I have my daughter learn English in London.
私は「娘がロンドンの学校で英語を学ぶ状況」を持っている。
→私は娘をロンドンの学校で英語を勉強させている。

「have」の使役動詞用法といわれるものですね。

状況&状態を持っている」という意味がベースにありますが、使役的動詞的に「人に~させている」と訳せるケースが多いです。

使役動詞用法have その2:4つのパターン

使役用動詞用法haveには以下の4パターンあります。

1)後ろの述語が形容詞

I have my room clean .
私は部屋をきれい(な状態)にしている。


2)後の動詞が原型

I have my son take my daughter to her school.
私は息子に娘を学校へ送っていかせ(る状況を持っ)た。


3)後の動詞が進行形

I have my dog running in the snow.
私は犬に雪の中を走らせ(る状況を持っ)た。

基本的に2)の用法と同じです。
後ろの動詞を進行形(ing形)にして臨場感・躍動感をアップさせた表現ですね。


4)後の動詞が受動態

I have my wallet stolen.
私はサイフを盗まれ(る状況を持っ)た。

この4)パターンがすっごい重要です。

この4)の用法から「現在完了形」の用法が発生してきます。


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現在完了haveの用法:「使役動詞用法」から「現在完了形」への展開

1)使役動詞用法から完了形の誕生
なんと上記4)「後ろの動詞が受動態の使役動詞用法」から「現在完了形」が発生します


上記の4)で紹介した例文

I have my wallet stolen.
私は財布を盗まれた。

自分で自分の財布を盗む人はいないので、この例文では財布を盗んだのが「私以外のだれか」とわかります。


では次の例文はどうでしょうか?

I have my car repaired.

①自分ではない修理人が車を修理した。
②私が自分で車を修理した。

この文では「車を修理した人」には①②の2つの可能性があり、文のみからはどちらか判断できませんでした。


この2つの意味の可能性を明確に区別するため2つの文型にに分かれました。

①の場合:車を修理したのは自分ではない修理人
I have my car repaired.
(repairの主語がhaveの主語と同じではない)
→私は(車の修理人に)車を修理してもらい、今も車は修理された状態になっている。

②の場合:車を修理したのは私
I have repaired my car.
(repairの主語がhaveの主語と同じ)
→私は自分で車を修理して、今も車は修理された状態になっている。

②で「repaired」が「my car」の前に出ます。
そして②が「完了形」の誕生の瞬間です!

使役動詞用法の「後ろの動詞が受動態パターン」から完了形は発生しました。

だから完了形haveの後の動詞は受動態を取るんです。
主語「私」が「my car」を「repaired状態(修理された状態)」にしたからです。

完了形ははじめは「受動態」を取ることができる「他動詞のみの用法」だったようです。



2)現在完了形の自動詞用法の派生
その後、「自動詞」にもhaveで表す用法が展開されていきます。

<自動詞完了形>
I have lived in Tokyo for 3years.
私はこの3年間、東京で住んでいる状態です。
→私はこの3年間、東京に住んでいます


完了形は使役動詞用法から発生した用法です。
そのため完了形は使役動詞用法のニュアンスが濃厚に残っています。

現在完了形」「過去に起こったある「状況&状態」が現在時点まで保持&維持(have)されている」ことを表現します。

※「現在完了形」は「過去に発生した事柄が「現在時点」において保持・保有された状態・状況である」という「現在時点の表現」です。
現在完了は「現在形」であって「過去形」ではないです。
そのため「過去の時点を明確に指し示すような単語」とは一緒に使えません。
例えば、yesterday, 3years agoなどは現在完了形文では使用できません。

※「完了形の起源」についての英語史については以下の英語史のサイトを参照ください。
英語史の堀田隆一先生ブログサイトです。

#2490. 完了構文「have + 過去分詞」の起源と発達

hellog~英語史ブログ

私の大好きなブログサイトです。


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ほんとうに「現在完了には3つの用法」があるのか?

現在完了形は「過去に起こったある状況&状態が現在時点まで保持&維持されている」ことを表現しています。

と上記で説明しました。

1)学校で習う「現在完了3つの用法」
しかし以下のような例文で学校教育では現在完了は「継続、経験、完了&結果の3つ用法がある」と教わります。
(完了・結果を分けて「継続・経験・完了・結果」の4つの用法があると教える場合もある。)

①継続
I have lived in Tokyo for 3 years.
私はこの3年間、東京に住んでいる。

②経験
I have visited the museum 5 times.
私はその博物館5回訪問したことがある。

③完了&結果
I have finished cleaning the kitchen.
私はキッチンの掃除を完了しました。

「完了」「継続」という真逆の現象を表現するのに同じ現在完了が用いられると教わります。
「現在完了形」とはいったいなんなのかまったく理解できませんよね。


2)まず「継続」と「経験」の用法とは
現在完了形は「過去に起こったある状況&状態が現在時点まで保持&維持されている」ことを表現しています。
現在完了形の説明はこれで十分でしょう。

完了形になった場合、「状態動詞」「継続」的に見え、「行動動詞」「経験」的に見えるということです。

①状態動詞:Be動詞、liveなど
「状態・状況の継続&保持」
I have been a teacher in the high school for 10 years.
私はこの10年間、高校で教師をしています。

②行動動詞:eat、visitなど
「経験」の保有・保持
I have visited the museum for many times.
私はその博物館を何度も訪問しています。

①②いずれも過去に発生した「状態・状況」や「経験」を現在時点で「haveもっている」という用法です。


3)現在完了の「完了&結果用法」とは?
「現在完了に「継続」とは真逆の「完了・結果」用法がある」って理解できませんよね。
また「過去形」「現在完了の完了・結果用法」とはよく違いがわかりませんよね。
以下、説明します。

「現在完了の完了用法」といわれるものは「「完了状態・結果」が現在時点まで継続・保持している」ことを意味します。

「完了状態&結果」の「継続」用法として理解してよいのではないでしょうか。

<「現在完了(完了用法)」と「過去形」>

①現在完了形(完了用法)
I have finished repairing  my car.
私は車を修理して、その修理された状態が現在時点まで継続している。

②過去形
I finished repairing my car.
私は車の修理をした(けど現在の状態は分からない。もしかするとまた壊れているかも。。。)

現在完了形と過去形のニュアンスはかなり違いますよね。

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have to用法(~しなければならない)

「~しなければならない」と訳しますが、もともと「~することがある、~することを持っている」の意味ですね。

「have to」が一つの助動詞扱いされることもありますが、以下の「toを伴う動詞用法」と同じと考えよいでしょう。

①I decided to learn English in London.
ロンドンで英語を学ぶことに決めた。

②I agreed to pay 1000yen to him.
彼に1000円支払うことに同意した。

I have to pay 1000 yen to him
「彼に1000円支払うこと」を(やるべきこととして)持っている
→彼に1000円支払わないといけない。

切迫感のある助動詞「must」に比べれば、「have to」はやわらかい感じの用法になりますね

<have to否定文>
I do not have to pay 1000yen to him

→「彼に1000円払うこと」は(やるべきこととして)持っていない。
→私は彼に1000円払う必要はない
(→「1000円支払ってはいけない」という意味にはなりません。)

否定文でも「have not to」にはならないので、やはり「have to」は助動詞というより「toを伴う動詞」っぽい用法ですね。

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その他:had better(~したほうがよい)など

過去形hadになっているので、まず面食らいますよね。

「had better」は仮定法過去の文型のようで、hadになってるようです。
あまり気にせず、そういうものとして割り切ったほうがよいと思います。

日本人はよく間違えるようですが、had betterはかなりきつめの表現です。

「had better」より「should」の方がマイルドな表現です。


※仮定法過去の文型
同じような現象がほかにもあります。
助動詞はもともと動詞だったものが助動詞として使われるようになりました。
助動詞must、canはもともと「動詞の仮定法過去形」だったものです。
以下の英語史・堀田隆一先生ブログサイト記事を参照ください。

#4237. なぜ3単現なのに *He cans swim. とはならず He can swim. となるのですか?

hellog~英語史ブログ


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まとめ

1)「have」は「もっている、所有している」という意味

いろいろな使われ方をするようになっていますが、根底には「もっている、所有している」という意味が一貫して存在しています。

以下の「5つのhave用法」を説明しました。

①一般動詞のhave
②使役動詞のhave
③現在完了形のhave
④しなければならないhave toのhave
⑤その他had better

「have」にかんする疑問の多くは説明できたと思いますが、いかがでしょうか?

2)(現在)完了形は理解しにくい
「have用法」の1つという側面から現在完了を理解すると分かりやすくなったのではないでしょうか。

現在完了形は使役動詞用法のhaveから発展したものです。
「過去に発生した状況・状態や経験を現在時点においても保持・保有している」という用法です。

現在完了haveも「(状況・状態や経験を)もっている、所有している」というhaveの意味がベースにありますね。


3)have用法に共通する「have感」を養う
英語においてhaveは、いろいろな重要な用法を担っています。

そして使用頻度も異常に高いです。

各用法の根底に共通する「have感(=もっている)」を体得して、ぜひ英語を磨いていただきたいと思います。

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